「人と人の間に、えびす。」を合言葉に活動する私たちが、事業やサービスを実施する上で大切にしていることがあります。
自ら「行きたい」と思える
「場」をつくる
一般的に「療育」というサービスを受ける場はお子様にとって、「何かができるように練習するところ」「 先生に教えてもらうところ」という印象が強いかもしれません。最初はご家族や支援者に促されて、不安を持ちながら来所することが多いはずです。えびすでは、初めて来所する時、お子様本人の不安をできるだけ低減し、一度来たら「また次も行きたいな」と自ら思える「場」をつくるために、できることを尽くそうと考えています。また支援する時に大切にしているのが、「ほめる(認める)」ということ。1つひとつの行動に対して、できないことに目を向けるのではなく、できたことを見つめて、 繰り返し言葉で伝えています。えびすに来ると、「なんだか楽しいし、心地いい」と思ってくれるように。そして、お子様自らが行きたいと思える、そのような「場」づくりを目指しています。
1人ひとりの 魅力を見いだし、
強くする
利用者ができたことを見つめて、ほめながら寄り添っていくと、自然とその方の魅力が光り始めます。もちろん、利用者の課題や問題をいかになくすか、ということはとても重要なことです。困りごとをなくすということをえびすも重視していますが、いかになくすかということばかりに注目するのではなく、1人ひとりの魅力をいかに見いだすか。このことを最も大切にしています。
そのための近道になり得ると考えているのは、本人の好きなことやできることに着目し、魅力を見いだして、支援者や家族がしっかり理解し、ご本人が自信を持てるまで育んでいくということです。常に1人ひとりの魅力にスポットライトを当て続けることで周囲の人たちの見方が変わり、その魅力がより強いものとして輝くことになると考えています。それは家族だけでは難しく、私たちのような専門職だからこそできることの1つだと考えています。
選択肢を増やすことで
可能性を広げる
えびすが行っているサービスを通して、利用者の「選択肢 」を増やすことを大切にしています。食べるもの、好きなもの、行きたい場所、利用できる乗り物、行ったことのある場所や道、知っている人、そして、できること。これらが1つずつ積み重なっていくことで、その人の可能性が広がっていきます。私たちは可能性を広げ、さまざまな選択肢の組み合わせにより、将来の進路や利用できるサービスの種類、新たな出会いや笑顔につながるように。えびすが、その間をつないでいきます。
利用者同士の関係性から
成長してもらう
一般的には福祉サービスには、支援者が利用者に何らかの介助をしているイメージがあるかもしれません。えびすでは支援者が何でもするのではなく、利用者同士の関係性の中で気づきあって何かをお互いに行うことを重視しています。そのようなコミュニケーションを通して、1人ひとりに成長して欲しいのです。
家族や関係機関の
「安心」から始める
まず、家族や地域の関係機関から「えびすなら大丈夫」と安心してもらえることが大切だと考えています。安心には、安全はもちろん、提供するサービスの質、スタッフの姿勢や信頼関係などがあると考えています。
支援の担い手として、
学生も参加する
えびすでは設立以来 、阪神間の学生たちが放課後等デイサービスのスタッフやガイドヘルパーとして事業に参加しています。学生たちにはえびすに関わってもらうことで支援者としてはもちろん 、社会人となったときにえびすでの経験や学びを発揮してほしいと願っています。たとえば将来 、商品を開発するとき、役所で窓口対応をするとき、学校で教鞭をとるとき、家庭で親としての役割を担うとき。また、身近にいる人に「支援」の必要性を感じたとき、いっしょに考えてくれる人たちや社会資源が近くにあるということを知っているだけで、社会的な孤立を防ぐ一歩になるのではないかと考えています。なので、えびすは未来に活躍する若者たちの、可能性を感じ、育成活動を続けています。